ひらめきは、”魔人”が運んでくる!?
経営の現場では、どうしても答えが見つからない場面に直面します。
採用、人材育成、投資判断……。私はまず机に向かい、とことん考え抜きます。
資料を読み、数字を整理し、シナリオを書き出す。
そこまでやったら、あえて“いったん忘れる”。
すると、不思議なことに朝のウォーキングや入浴中など、リラックスしている瞬間にふっと答えが浮かんでくる。
その感覚は、まるでアラビアンライト物語のよう。
アラジンがランプをこすったら魔人が現れて
「ご主人さま、答えができあがっております」
と差し出してくれるようなものです。
私が尊敬する天才経営コンサルタント・石原明さんは、著書の中で潜在意識を「潜在意識くん」と呼び、親しみを込めて活用されていました。
その考えに共感し、私自身も愛称をつけて**「センちゃん」**と呼ぶようになったのです。
考え抜いた先に託す力
ただし、ここで大事なのは「丸投げしない」こと。
前提として一生懸命考え抜くことが不可欠です。
材料が揃っていないと、潜在意識は何も料理できません。
考え尽くしてから「センちゃん、よろしく!」と心の中で託す。
その瞬間から、静かに働き始めるのです。
実際、ある建設業の人材採用プロジェクトで壁にぶつかったことがありました。
ターゲット層にどう響くメッセージを打ち出すか。
この会社は道路の保守管理で50年以上の実績があり、地元愛も強い。
けれど、会議室でいくら考えても答えが出ない。
そこで、すべての資料を読み込み、キーワードを洗い出した上で潜在意識に託しました。
数日後の朝のウォーキングでふっと浮かんだのが──
「地域の心を繋ぐ、その道のプロになろう!」。
この一行が採用広報の軸となり、応募者に強く響いたのです。
心理学ではこれを「インキュベーション効果」と呼びます。
意識が休んでいる間に潜在意識が情報をつなぎ合わせ、最適解を用意してくれる。
ビジネスの世界でもこれは強力な武器になります。
潜在意識がひらめく条件
では、潜在意識が働きやすい環境とは何か?
私はそれを「心の潤いと余白」だと考えています。
余裕がなく、心が乾ききっていると機能しません。
逆に、ウォーキングで自然を感じたり、お風呂でリラックスしたりすることで、のびのび働き始めます。
この発想をさらに広げると、行き着くのが24節気・72候です。
これは一年を24の節目、さらに72の小さな季節に分け、自然の変化に寄り添って暮らすという日本古来の知恵。
例えば「立春」は新しい始まりを意識する時期、「小満」は努力の芽が育ち始める時期といったように、節目ごとに心のスイッチを切り替えることができます。
自然のリズムを自分の暮らしや仕事に取り入れることで、心に余白が生まれ、潜在意識が豊かに働き出します。
つまり──潜在意識の存在を意識し、上手に活用していくこと。
それこそが、経営において最も大きな力となるのです。
未来を耕す経営のリズム
こうした考えから生まれたのが、**「未来を耕すワークシート24・72」**です。
季節ごとの節目で振り返り、次の一歩を描く。
これは単なる目標管理の道具ではなく、心に潤いと余白をつくり、潜在意識が働きやすい環境を整えるための“仕掛け”です。
経営はいつも合理と論理だけで進むものではありません。
ときには自然のリズムに身をゆだね、心の奥にある力に任せてみる。
そのために心の潤いと余白を大切にすることが、長期的に見れば最大の効率を生むのです。
さあ今日も、「センちゃん、よろしく!」とつぶやきながら歩き出してみませんか。
最強のパートナー、潜在意識は、まさに自分の中にいる。
これを信じて活用できるかどうかが、成果を分けるのです。
そして最後に―
この気づきを「潜在意識くん」と名付けて広めてくださった石原明さんに感謝しつつ、私は今日もこのパートナーに相談しています。
よく考えれば、この最強のパートナーは24時間365日フル稼働。完全無料で、正確、文句ひとつ言わない。しかも、純・日本製!
最近発達してきたどのAIよりも、よっぽど頼りになりますね(笑)