2019.05.31

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令和の時代に入り1か月ほど経過し、新元号にも少し慣れてきた感じがしていますが、いかが

お過ごしでしょうか。

 

新元号は政府の説明によれば、これまで中国古典の出典でしたが、今回、初めて日本の古典が

引用されたという点でも新鮮さを感じるのではないでしょうか。

 

古典とは

ところで、そもそも古典とは何でしょうか?

 

古典とは、学問・芸術などの分野で、古い時代に作られ、長い年月にわたる鑑賞を経て、

現在もなお高い評価を受けている作品等を指すものです。

 

かつて私が高校生だった頃、「なぜ 古典を勉強するのか」考えたことがありましたが、

とりあえず「受験にあるから」では腑に落ちませんでした。

 

当時は「 人生にはいろいろがことがある。壁にぶち当たったときに今まで知らなった

異文化が自分にプラスになるかも知れない」と考えることしましたが、今となっては、

無理やり勉強するのではなく関心を持った時に紐解く方がいいのではないかと思って

います。

 

賢人の思考プロセスに触れる

 

例えば、ファイナンシャルプランナーがお客様に金融資産運用を説明する際は、金融市場

の知識だけではなく、当然その根本である市場経済の原理原則を知っておく必要があります。

 

市場経済の始まりは、言わずと知れたアダムスミスの『国富論』という古典が原点です。

 

この『国富論』の理論概要を知るためだけなら、ウィキペディア等で検索すればすぐ分か

るでしょう。

 

しかし、当時の時代背景から、アダムスミスがどのような思考プロセスでこの理論を導い

たのか、辿ってみることこそが、古典をじっくり読む醍醐味だと思います。

 

自分の思考力は、歴史の風雪に耐え残った、古今東西の超頭脳に触れることでしか鍛え

られないのではないでしょうか。

 

アリストテレス、ヘーゲル、清少納言、夏目漱石、池波正太郎など、古今東西、何でも

よいので、まずは薄い本で興味のある分野から始めるとよいでしょう。

 

そうすることで、論理展開や発想力、ひいては人間の捉え方など、賢人の思考プロセス

に触れることができます。

 

なおこの際は、速読はではなく、じっくり噛みしめながら読むことが大切です。

 

思考プロセスをたどりながら、「なぜあなたはそう考えるの?アリストテレスさん!」

などと突っ込みも入れたりしたらこれはもう、アリストテレスとほぼ対話している

状態です。

 

この対話する状態は、ノウハウ中心の流行りのビジネス書では実感できません。

 

 

思考力、問題解決力を鍛える

 

また、科学技術が著しく発達した現代ですが、ビジネスは結局、すべて「人」が作っ

た世界・仕組みの中で、人と人のコミュニケーションによって成り立つものなので、

この本質を知ることが重要となります。

 

実際、取引先の中小企業、個人が抱える多くの課題は、その発生理由は「人」に起因

しており、今も昔もそう大差はないように思えます。

 

そういった意味から、特に、歌舞伎、能、狂言、落語など古典芸能を、角度を変えて

ビジネスの視点で研究すると、そこに問題解決のヒントが多く含まれています。

 

五代目立川談志師匠は「世の中のすべての事象は古典落語で説明できる」と豪語され

ていましたが、私自身、コンサル現場で

「なるほど、この企業の課題は、あの古典落語で描かれていたテーマと同じだ!」

と膝を打つことが多くなり、この言葉の意味がよく分かるようになってきました。

 

思考力や問題解決力を鍛えるため、ぜひ、身近で興味ある分野の古典から学んで

みましょう。

 

 

 

 

二木宏造

鹿児島の経営コンサルタント 認定キャッシュフローコーチ®

経営理念を起点にビジョンの実現に向け、経営者を徹底サポートする専門家、フィロソフィパートナーとして 鹿児島・宮崎を中心にコンサルティングを展開。

また企業向けセミナーでは「脱☆ドンブリ経営!実践セミナー」や、「明快Vノート」を活用した「実践!セルフマネジメントセミナー」等で経営者、経営幹部、管理職から新入社員まで、分かりやすく実践的な社員研修に情熱を注いでいる。