鹿児島県立鹿児島工業高校で、1月19日午前中、全校生徒1080人、午後PTA総会で保護者約500名向けの二部構成で、それぞれ1時間30分づつ、合計3時間、
「一生役立つ!お金の知識と上手な活かし方」
2022年4月1日より、成年年齢が20歳から18歳へ引き下げとなり、20歳まで認められていた「未成年者取消権」がなくなり、自分ひとりで契約をすることが出来るようになりました。
鹿児島工業高校の生徒さんは、卒業後約7割が就職、約3割が進学の道を選択されるとのことで、卒業後、新たなステージを歩んでいくこの大切な時期に、悪徳業者は成人して間もない皆さんを陥れようと、あの手この手で狙っています。 「大丈夫です」ではなく、「いりません!」ときっぱりと断ること。 万が一の際には、「クーリング・オフ制度」「188(消費者ホットライン)」を利用したり、ひとりで抱え込まず、必ず家族や周りの人への相談をすることが大切であることをお伝えしました。午前中 全校生徒向け
また、社会人になると、働くことだけでなく「家計のやりくり」という初めての経験が待っています。 知らないことや分からないことが多いのは当たり前のことで、これから、計画的にお金を使う感覚を身につけていく必要があります。 講演では、これまでの支出の内容が社会人になるとどのように変化していくのか、収入−支出=貯蓄額ではなく、「収入−貯蓄額=支出」の考え方が重要であること、生活費以外に大切な人生の3大費用(住宅・教育・老後)等についてお話ししました。家計管理やライフプランのシュミレーションが出来る「金融経済教育 高校授業副教材(金融庁作成もあります。自ら進んで、「かせぐ(収入)とつかう(支出)のやりくり(バランスよく回すこと)」について考え続けて欲しいと思います。
また、金融トラブルの事例として、携帯電話契約詐欺やロマンス投資詐欺、暗号資産(仮想通貨)等についてもお話しをしました。世の中にはこの他にも様々な誘惑や危険が多く潜んでいます。複雑になった世の中を生き抜いていく為には、ネットに書いてあることを鵜呑みにせず、情報の取捨選択が出来るようにならなくてはなりません。必要な知識をつける努力と周りの人とのコミュニケーションを取ることが大切です。
午後 PTA向け
生徒さんには、家計・ライフプラン・金融商品の「全体像」についてお話しをしましたが、保護者の方々へは少し入り込んだ具体的なお話しをしました。
家計管理の着眼点には「ストック(資産形成)とフロー(毎日の入出金)」がありますが、多くの方がフローのみを見直しがちです。
ストックの把握・見直しをした上で、フローの見直しをすると、家計管理に良い変化が現れます。
また支出の見直しでは、変動的支出と固定的支出(45%以内に収める)のバランスの重要性、特に固定的支出削減では通信費、水道光熱費、保険料、住宅関連費等の具体例についてお話ししました。
ライフプランについては、人生設計、将来設計を具体的に描くということは、人生そのものを考えることとイコールの関係性になることをお伝えしました。
65歳以上の収支バランスが「支出>収入」となる可能性が高いと考えられる場合、65歳までの資産形成について考える必要があります。
家庭でお金の話をする機会が少ないご家庭も多いかもしれませんが、オープンに話をして頂き、是非ともそれぞれの人生について一緒に考える機会を作って欲しいと思います。
資産運用法については、金融商品の選択をする際の3つの基準(収益性・安全性・流動性)や、投資リスクを抑える3つの基本として、①じっくり長期投資、②バランスよく分散(資産の分散、地域の分散)、③コツコツ積立(時間分散)について金融庁の資料も活用して解説しました。
金融トラブルの事例については、生徒さんと同じ内容をお話しし、様々なところで誘惑や危険が潜んでいること、保護者の立場からもよく注意していて欲しいということをお伝えしました。